児発・放デイの避難訓練記録で押さえたい4つのポイント

児発・放デイでは、火災や地震などを想定した避難訓練を行っても、
「訓練を実施したことだけ記録して終わった」
「そのとき見つかった課題を、次の訓練で確認できていない」
ということがあります。
日々の支援や送迎が続く中では、訓練後の振り返りを後回しにすると、その場で気づいたことが職員間で共有されないままになりがちです。
避難訓練記録で大切なのは、実施日や参加人数を残すことだけではありません。
どのような状況を想定し、実際に何を行い、次回どこを改善するのかを確認できる形で残すことです。
この記事で分かること
・避難訓練記録に必要な項目
・訓練の想定と目的の書き方
・児童への配慮を記録する方法
・課題を次回の改善につなげる方法
1.訓練の想定・目的・基本情報を書く
まず、どのような訓練を行ったのか分かるように、基本情報を整理します。
- 事業所名
- 訓練の種類
- 実施日時
- 訓練責任者
- 避難場所・対応場所
- 参加職員
- 参加児童
訓練種別は「避難訓練」とまとめず、火災、地震、水害、不審者対応など、実際の想定に合わせて書きます。
同じ火災訓練でも、
- 活動室から出火した想定
- 調理スペースから出火した想定
- 玄関側の避難経路が使えない想定
では、確認する内容が変わります。
想定の例
活動中に調理スペースから出火した想定で、火災の周知、通報、児童の避難誘導、点呼までの流れを確認する。
目的には「安全に避難する」だけでなく、その訓練で特に確認したい内容を書きます。
例えば、
- 職員の役割分担を確認する
- 避難開始までの流れを確認する
- 避難場所で正確に点呼できるか確認する
- 配慮が必要な児童の誘導方法を確認する
などです。
2.実施した内容と児童への配慮を記録する
計画した内容と、実際に行った内容が同じとは限りません。
訓練記録には、実際に行った項目を残します。
火災訓練であれば、
- 火災の発見と職員への周知
- 初期消火の確認
- 119番通報の模擬訓練
- 児童の避難誘導
- 残っている人がいないか確認
- 避難場所での点呼
などです。
避難や対応が完了するまでにかかった時間も記録しておくと、次回の訓練と比較しやすくなります。
ただし、時間を短くすることだけを目的にせず、児童の安全や職員の確認が適切に行われたかも確認します。
児発・放デイの訓練では、児童一人ひとりへの配慮も重要です。
例えば、
- 非常ベルや大きな声に不安を感じた
- 急な予定変更で動けなくなった
- 集団での移動が難しかった
- 階段や長距離の移動に介助が必要だった
- 視覚的な案内があると移動しやすかった
などです。
記録例
非常ベルの音に不安が見られたため、職員がそばにつき、絵カードで避難場所を示しながら誘導した。
「落ち着かなかった」とだけ書かず、どのような様子があり、職員がどう対応したのかを記録します。
3.良かった点と課題を具体的に振り返る
訓練後の記録では、できなかったことだけでなく、うまくできたことも書きます。
良かった点の例
職員の役割分担が明確で、避難誘導と点呼を落ち着いて行うことができた。
課題の例
玄関付近で避難する児童と点呼する職員が重なり、一時的に移動しにくくなった。
「問題なし」「おおむね良好」だけでは、次回に活用できる情報が残りません。
次のような点に分けて振り返ると、具体的な課題を見つけやすくなります。
- 職員の役割分担
- 声かけや情報共有
- 避難経路
- 点呼の方法
- 通報や連絡の手順
- 必要物品の保管場所
- 児童への個別対応
訓練に参加した職員からも気づいた点を聞き、記録者一人の視点だけでまとめないことも大切です。
4.改善策と次回確認することを決める
課題を書いても、改善方法が決まっていなければ、次回も同じ問題が起こる可能性があります。
課題
非常口付近に児童と職員が集中し、移動しにくくなった。
改善策
次回は誘導担当、先頭担当、最後尾担当を事前に決め、避難場所で点呼する職員を別に配置する。
改善策は、「気をつける」「声をかける」だけで終わらせず、実際の行動が分かる形にします。
例えば、
- 避難経路の障害物を移動する
- 職員の役割表を見直す
- 点呼用の名簿を避難バッグに入れる
- 視覚支援カードを準備する
- 非常持出品の保管場所を職員へ周知する
- 担当職員が不在の場合の代替者を決める
などです。
次回実施予定日と、次回の訓練で確認する内容も残しておきましょう。

✅ 避難訓練記録を完成させる前のチェック
□ 訓練の種類と想定が書かれている
□ 実施日時・場所・参加者が書かれている
□ 訓練の目的が具体的になっている
□ 実際に行った内容を記録した
□ 避難・対応完了までの時間を確認した
□ 児童に必要だった配慮を書いた
□ 良かった点と課題を分けて書いた
□ 次回に向けた改善策がある
□ 次回実施予定日を記録した
□ 実際の訓練内容と記録に違いがない
避難訓練記録作成ツールで計画と振り返りを整理

こども支援ツール箱の「避難訓練記録作成ツール」では、訓練の種類に合わせて計画内容や確認項目を整理できます。
対応している訓練種別は、次のとおりです。
- 火災
- 地震
- 水害
- 津波
- 不審者対応
- 感染症発生時対応
- 総合訓練
- その他
訓練種別を選ぶと、想定例、訓練目的、実施内容、児童への配慮、確認項目、振り返り例が切り替わります。
実施した項目へのチェック、避難・対応完了までの時間、総合評価、良かった点、課題、次回の改善策、次回実施予定日も記録できます。
作成した記録はブラウザ内に保存でき、印刷・CSV保存・文章コピーに対応しています。
この記事について
この記事は、児童発達支援・放課後等デイサービス事業を運営し、現場職員向けの業務効率化ツールを制作している「こども支援ツール箱」が作成しています。
実際の事業所運営で必要となる安全管理や避難訓練をもとに、訓練を実施しただけで終わらせず、次回の改善につなげやすい記録を目指しています。

